2月11日の「子育てサロン」には、41名のお申込みがありました。ありがとうございました。
臨床心理士 浦さんは、コロナ禍の私たちの不安な気持ちに寄り添いながら、哲学用語(ロゴスとピュシスなど)をわかりやすく身近な事例をあげながら、お話してくださいました。
コロナという現状から元の生活に戻るのではなく、
この2年の体験を胸に
新しい日常に向かって前に進むには、
個人も、一人一人がどう生かしていくかちゃんと考えなくてはいけない。
その際、あきらめないといけないことはあきらめることで、新しい自分になれます
そのためには、豊かな想像力・創造力を発揮し、計画性を発揮し、楽しむことが必要です。
・・・コロナ禍、体力精神力を使いすぎている人は・・・
自分自身も癒されることが必要です。ピュシス・母性を、あえて求めましょう。
=甘え上手になる。依存ではない!(もふもふのぬいぐるみ、癒される音楽など)
そうして、元気を取り戻し、
何が おもしろい生活・人生なのか?を計画してみましょう。
と、浦さんから、たくさんのアドバイスをいただき、勇気をもらえるお話でした。
後半1時間は、参加者の皆さんとの質疑応答でした。子どものこと、仕事との折り合いなど悩んでいることを、共有しながら、浦さんが丁寧に答えてくれました。
講演会後にお寄せいただいたアンケートの一部ご紹介します。
〇心に残る言葉を沢山いただきました。メモしながらうなずいて聞かせていただきました。ガラパコスの世界からピュシス(ナチュラリスト)生命を愛するアリの話は心に残りました。
〇長いコロナ禍にある子ども達が、適応能力高く対応している。という事を聞いて、ほっとした気持ちとすごいな。と思いました。
〇「先の見えない不安な気持ち」に対して「どうにかなるさ」と楽観的な気持ちで過ごせる時もあれば「何とかしなくては」という焦りとイライラが心を支配する時もある。そのような気持ちの収め方について、精一杯やったのだから仕方がない、とひとまず諦める。空気のにおい、花の香、生物 空や雲や月星に目を向けゆっくりと深呼吸し穏やかな時間を過ごす。新たな力をいただきながら新しい日常に向けて進んでいけばいい。」という考えがストンと心に落ち軽やかな気持ちになれました。
〇生きていく上でどうしてこんなに次々と問題が起こるのかと思うこともありましたが、乗り越えた先には笑顔の未来は必ずあります。諦めることの重要性も向こう側には新しい希望があるのも体験してきたのでよくわかりました。楽しい力強いお話でした。
〇浦さんのお話が力強く、視野が開かれる思いでした。
特に子どもが幼稚園、学校に行きたがらない現象をかみ砕いてお話して下さったことが心に落ちました。子どもを一人の人と本当に尊重して、また親も不完全な人間に過ぎないと自覚することが、多くの辛さや現状を変えていく鍵になるのでは、と思わされました。子育て真っ最中ならば、ちょっと戸惑うかもしれませんが・・子育てを終えて反省がたくさんある今なら、著作集とも通じ「本当にその通り!だったのよ」と思えます。
「今を生きている子ども」という言葉も心に残り、「今」に対応できていない学校と大人にまっとうな子どもの方が苦しめられているのでは、ということも思いました。
質疑応答を聞きながら、前向きでなくてもいいよ、いろんな人がいていい、それが健全、という寛容さが本当のSDGsかも、と思いが深められました。
参考文献など:
・朝日新聞連続掲載 「ドリトル先生ガラパゴスを救う」 福岡伸一著
・「沈黙の春」「センス・オブ・ワンダーへのまなざし」 レイチェル・ルイーズ・カーソン著
・「病気になるということ」 ヴァージニア・ウルフ著
・「白の闇」ジョゼ・サラマーゴ著
・「パンデミック」Ⅰ・Ⅱ スラヴォイ・ジジェク著
・NHK ETV特集「遠藤周作~封印された原稿~ 」
・「影に対して」 遠藤周作著
・NHK 「ズームバックオチアイ 」 対談:落合陽一×オードリー・タン
・「いじわるばあさん」 長谷川町子著
・「心が折れる職場」見波利幸著 以上